灘まぐろの育つ三重県度会郡南伊勢町は国内の本マグロ養殖場では最東北に位置しています。
国内養殖の主産地である沖縄・南九州と比較すると、海水温度が年間平均7℃低い海域で、黒潮の恩恵を受けた潮流の早い海域のため、健康的で身の締まった美味しいマグロに育ちます。
清洋水産では、直径50mの円形生簀4台を設置し、1年魚~4年魚までを年級ごとに分 けて養殖しています。
※ 当社で使用している円形生簀は、ノルウェーサーモン養殖等で使用されている、高密度ポリエチレン製の新生簀枠で、従来の連結フロート方式(アバ式)に比べ、耐久性、作業性に優れています。
灘まぐろの稚魚(ヨコワ)は例年7~9月に熊野灘近海中心で曳き縄という漁法により一尾づつ丁寧に釣上げられ、専用のタモで人の手に一切触れることなく釣り船から生簀へ移されます。
体長20~30cm(約200g)と魚体が小さいうちから養殖することにより個体差が少なく安定した肉質の本マグロに育ちます。
灘まぐろ専用に開発された粉末配合飼料(オーシャンマッシュMS)と自社のまき網船団がその日漁獲したとびきり新鮮なサバ・イワシ類を飼料とすることで、健康的かつ灘まぐろ独自のおいしさ、肉質に育てます。また、配合飼料には抗生物質、抗菌製剤などの薬品は一切使用しないので安心・安全です。
午前と午後の1日2回、灘まぐろの摂餌状況(食欲)を見ながら、たっぷりの時間と愛情をかけて行います。1日の給餌量は魚体重の10%を目安にしていますが、摂餌状況(食欲)を見ながら給餌するため、給餌量は一定ではなく毎日異なります。(食べ過ぎ・不足を防ぎます。)
生簀の潮通しを良くし、生簀内の環境を良好な状態に保つため、定期的に生簀網の掃除を行います。掃除はリモコン式の水中洗浄ロボットを使用して、1生簀7~10日かけ、しっかり洗浄します。
マグロは釣上げ時に体温が急激に上がり(80℃以上になる場合もある)、その体温を効率的かつ短時間で低下させないと身肉が劣化・退色してしまいます(ヤケ)。そのため、釣上げから冷し込みにどのような方法をとるかがマグロのおいしさの大きな要因のひとつになります。
当社では釣上げ、血抜き、神経締め、内臓・エラ除去等の工程を魚に負担をかけないよう、手際よく迅速かつ丁寧に行っています。また、冷し込みにはウルトラファインバブル水と、それから製造したシャーベット状の殺菌氷を使用しています。急速冷却・酸化の抑制・細菌増殖の抑制・魚を傷つけない等様々な利点をもつ氷で、灘まぐろのおいしさのために一役買っています。
十分に冷し込みを行った後、1尾ずつ計量、箱詰めしフレーク氷をかけて出荷します。出荷先は地元スーパーの他、名古屋・大阪・東京他各地の魚市場や寿司屋・居酒屋等です。